- コラム
- 2025.08.08
就業規則

【2025年8月8日発行】
就業規則とは労働条件や職場ルールについて使用者が定める規則をいい、2 つの法律に跨って定めが置かれています。
「労基法」は、使用者に対し、労働時間、賃金、解雇理由など就業規則の記載事項を列挙したうえ作成を義務付け、労働者側からの意見聴取、労基署への届出、周知義務等を定めます。
これらは、就業規則が労働条件を明確化することで労働者保護に資するという機能に着目し、行政監督の観点から定められたもので、その不作為は処罰の対象とされます。
次に、労働契約に関する民事的ルールを定める「労契法」も就業規則の規律に関し全7 条(7 条~13 条)を割いています。
起業される事業者は、このうち第7 条の効果がいかなるものであるのかについて注目してください。
厚労省はモデル就業規則を公開しています。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/model/index.html
労契法7 条は、モデルのように合理的労働条件を定める就業規則を、新たに採用する従業員が知り得る状態にしておくことにより、就業規則が規定する労働条件(服務規律を含め、労働契約上の権利義務となり得る従業員の取扱い)を労働契約の内容とすることができると定めます。
従業員の配置や処遇の決定・変更を使用者が行おうとする場合、その有効性は、一般的には、①そのような権限を行使する根拠が認められるのか、また②認められるとして権利の濫用にあたらないか、の2 段階で判断されます。
就業規則の条項は①の段階で根拠規定として機能するものであり、②の視点も踏まえ、人事面における円滑な事業運営に不可欠のツールとして機能させることができます。
起業者の方は第7 条が有する意義を認識されたうえ、就業規則の整備に力を注いでいただければと思います。
(相談員 宮田 雅史)

