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Ⅳ 年少者の就業制限業務

Ⅳ 年少者の就業制限業務

 年少者は、肉体的、精神的に未成熟であることから、危険な業務、衛生上有害な業務、福祉面で有害な業務など合計 45 の業務に就業させることが禁止されています(労基法 62、63)。ただし、職業能力開発促進法に基づく認定を受けて行う職業訓練を受ける年少者については、所轄の労働基準監督署長の許可を受けた場合は、下記(1)の危険有害業務のうち一定の業務に就かせることができます。

(1)危険有害業務

① 重量物を取り扱う業務(年少則第7条)

年齢及び性 重量(単位キログラム)
断続作業の場合 継続作業の場合
満16歳未満 12 8
15 10
満16歳以上
満18歳未満
25 15
30 20

② 安全上有害な業務(年少則第8条)

ボイラー(小型ボイラーを除く。以下同じ)の取扱いの業務 1号
ボイラーの溶接の業務 2号
クレーン、デリック又は揚貨装置の運転の業務 3号
緩燃性でないフィルムの上映操作の業務 4号
エレベーター(最大積載荷重2トン以上等)の運転の業務 5号
動力により駆動される軌条運輸機関、貨物自動車(最大積載荷重2トン以上)等の運転の業務 6号
動力により駆動される巻上機(電気ホイスト・エアホイストを除く。)、運搬機又は索道の運転の業務 7号
充電電炉(直流750V・交流300V超)又はその支持物の点検、修理又は操作の業務 8号
運転中の原動機又は原動機から中間軸までの動力伝導装置の掃除・給油・検査・修理・ベルトの掛替えの業務 9号
クレーン、デリック等の玉掛の業務(補助作業を除く。) 10号
液体燃焼器(最大毎時400リットル以上の消費量)の点火業務 11号
動力により駆動される土木建築用機械・船舶荷扱用機械の運転の業務 12号
ゴム、ゴム化合物又は合成樹脂のロール練りの業務 13号
丸のこ盤(直径が250mm以上)・帯のこ盤(直径が750mm以上)に木材を送給する業務 14号
動力により駆動されるプレスの金型、シャーの刃部の調整、掃除の業務 15号
操作場の構内における軌道車両の入換え等の業務 16号
軌道内での単独で行う業務(ずい道内・見通し距離400m以内、・車両通行頻繁箇所) 17号
蒸気、圧縮空気により駆動されるプレス又は鍛造機械を用いる金属加工の業務 18号
動力により駆動されるプレス、シャーを用いる厚さ8mm以上の鋼板加工の業務 19号
手押しかんな盤又は短軸面取り盤の取扱いの業務 21号
岩石・鉱物の破砕機・粉砕機に材料を送給する業務 22号
土砂崩壊のおそれのある場所又は深さ5m以上の地穴内における業務 23号
墜落により危害を受けるおそれのある場所(高さ5m以上)における業務 24号
足場の組立・解体・変更の業務(地上等の補助作業を除く。) 25号
立木(胸高直径350mm以上)の伐採の業務 26号
機械集材装置、運材索道等を用いて木材を搬出する業務 27号
火薬・爆薬・火工品を製造し、又は取り扱う業務で、爆発のおそれのあるもの 28号
危険物(安衛令別表第1に掲げる爆発物等)を製造し、又は取り扱う業務で、爆発、発火、引火のおそれのあるもの 29号
圧縮ガス又は液化ガスを製造し、又は用いる業務 31号

③ 衛生上有害な業務(年少則第8条)

水銀・砒素・黄りん・弗化水素酸・塩酸・硝酸等の有害物を取り扱う業務 32 号
鉛・水銀・クロム等の有害物のガス・蒸気・粉じんを発散する場所における業務 33 号
土石等のじんあい・粉末を著しく飛散する場所における業務 34 号
ラジウム放射線、エックス線その他の有害放射線にさらされる業務 35 号
多量の高熱物体を取り扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務 36 号
多量の低温物体を取り扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務 37 号
異常気圧下における業務 38 号
さく岩機鋲打機等体に著しい振動を与える機械器具を用いて行う業務 39 号
強烈な騒音を発する場所における業務 40 号
病原体によって著しく汚染のおそれのある業務 41 号

④福祉上有害な業務(年少則第8条)

焼却、清掃又はと殺の業務 42 号
監獄又は精神病院における業務 43 号
酒席に侍する業務 44 号
特殊の遊興的接客業における業務 45 号

(2)坑内労働の禁止

年少者は、坑内で労働させることはできません。