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第13章 労働関係の終了 Ⅰ  辞職

第13章 労働関係の終了等

 労働関係の終了とは、労働者が何らかの形で会社を辞め、雇用関係を消滅させることです。労働関係の終了については、特に以下の点について留意が必要です。

辞職

 辞職は労働者による労働契約の解消です。労働者の意思表示による労働契約の解消については、労基法上は規定がありませんので、民法の規定によります。民法では辞職はその意思表示から 2 週間で効力を生じることになっています(民法 627)。ただし、月給制のように賃金が期間をもって定められている労働者は、次期以降についてすることができ、当期の前半に行うこととされています(民法 627②)。 (例)賃金の計算期間が毎月 1 日~末日の月給制である労働者が、9 月 30 日に辞職したい場合は、辞職の意思表示は 9 月 15 日までに申し入れる。

定年

 定年制は、労働者が所定の年齢に達したときに自動的に労働契約が終了する制度です。 高齢法第 8 条では、定年の定めをする場合には 60 歳を下回ることはできないとされています。また、65 歳未満の定年の定めをしている事業主は、65 歳までの安定的な雇用確保措置を図るために、
  • ①定年年齢を 65 歳まで引き上げ
  • ②65 歳までの継続雇用制度の導入(希望者全員を 65 歳まで継続雇用する制度)
  • ③定年の定めの廃止
のいずれかの措置をとらなければなりません(高齢法9)。 これに加えて、70 歳未満の定年の定めをしている事業主又は 70 歳未満までの継続雇用制度を設けている事業主は、70 歳までの就業機会を確保するため、
  • ① 定年年齢を 70 歳まで引き上げ
  • ②70 歳までの継続雇用制度の導入(他の事業主によるものも含む)
  • ③定年の定めの廃止
  • ④70 歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
  • ⑤70 歳まで継続的に社会貢献事業に従事できる制度の導入
のいずれかの措置を講じるよう努めることとされています(高齢法 10 の2)。

解雇

 解雇とは、使用者の一方的な意思表示により労働契約を終了させることです。 (※)解雇の事由は、就業規則で定めておくことが必要です。

Ⅰ辞職

 労働者側からの意思表示により労働関係が終了する辞職については、労基法上は特段の制限はありません。ただし、民法によれば、辞職はその意思表示から 2 週間で効力を生ずることになります(民法 627①)。もっとも、月給制などのように賃金が期間をもって定められた労働者については、民法では、辞職の申入れは次期以降につき、当期の前半に行うこととされています。例えば、暦月で月給を決めている場合で、10 月 1 日に辞職したいときには、9 月 15 日までに申し入れることになっており、必ずしも 2 週間とはなっていません(民法 627②)。

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