Ⅰ 就業規則の意義及び効果
第14章 就業規則
Ⅰ 就業規則の意義及び効果
使用者にとっては、労働者がそれぞれ就業時間中に勝手に行動したり無断欠勤したりしては、職場の秩序は乱れ、円滑な事業の運営はできなくなります。
また、労働者にとっても、いつ休暇が取れるのかが不明であったり、どのような場合に懲戒処分されるのかが不明であったりすると、安心して働くことができなくなります。
そこで、労働者を使用する事業場においては、職場規律や労働条件を明確にしておくことによって、労働者が安心して働くことができるだけでなく、事業の円滑な運営が図ることができます。
このような目的を達成するため、事業場の職場規律や労働条件を定めたものが就業規則です。
使用者側にとっては、
- ① 職場秩序を確立し、多数の労働者を統合した企業運営ができる
- ② 労働者の労働条件を統一的に処理することができ、労働条件の安定と経営の安定に役立つ
- ③ 労使間の権利と義務の不明確性が原因となる争いを防止できる
というメリットがあります。
労働者側にとっても、
- ① 職場の労働条件がはっきりし、安心して働くことができる
- ② 職場において守るべきルールが明確になる
- ③ 懲戒処分の事由が明確になり、恣意的な処分を受けるおそれがなくなる
などの利点があげられます。