- コラム
- 2025.12.11
時間外労働の上限規制について

【2025年12月11日発行】
働き方改革関連法の成立から7年余が経過しました。
改革の二大テーマは、長時間労働の是正と非正規雇用労働者の待遇改善であり、今回は前者との関連で時間外労働の上限規制の内容について確認します。
36協定によっても超えることができない罰則付き上限規制の導入は、労基法制定以来、初めての大改革であると評価されました。その規制の在り方は3つの制限部分から成り立っています。
第一に、「通常予見される時間外労働の範囲内」という概念のもと、時間外労働(休日労働は含まないことに注意。)は一箇月45時間・一年360時間を超えない時間に限られ、これら時間は「限度時間」と呼ばれます。
第二は、「通常予見することのできない業務量の大幅な増加等」への対応のための臨時的な特例を設ける部分です。
36協定に特別条項を設けた場合、第一の限度時間の例外として、一箇月45時間を超える時間外労働が認められます。
ただし、その月数はⒶ一年間に六箇月以内に、時間外労働の上限もⒷ一年720時間を超えない時間に限られるほか、別途第三のⒸの規制もかかります。
第三は、36協定の対象期間である一年間の全期間に及ぶもので、一箇月あたりの絶対的な上限を定める部分です。
第一と第二のⒶⒷは休日労働の時間数を含みませんが、休日労働が長すぎることも問題であることから、ここでは実際の時間外労働と休日労働とを合算した時間数により規制がされます。
具体的には、これら合算した時間数が、Ⓒ一箇月100時間未満、かつ、Ⓓ二箇月乃至六箇月の各期間を区分した期間につき平均で各一箇月80時間以内としなければなりません。
なお、以下①②は何れも労基法に違反しますので、ご留意ください。
① 特別条項で年720時間(Ⓑ)と定めたうえ、毎月60時間の時間外労働をさせることは、ⒸⒹとの関係では問題とならないが、Ⓐの規制に違反する。
② 一箇月の時間外労働が44時間で休日労働が56時間であった場合、時間外労働が第一の限度時間の範囲内であるため特別条項の問題とはならないが、Ⓒの規制に違反する。
上限規制は上記のとおり複雑な内容を含みます。個別具体的な疑問点は雇用労働相談センターまでお尋ねください。
(相談員 宮田 雅史)

